【速報レポ】アドミュージアム東京の「PR企画展」に、PRプランナーが行ってみた!
「PR」の正式名称を知らない人は、9割以上!
こんにちは。PRプランナーの齊藤です。普段はこのnoteアカウントの運営や編集、さまざまなクライアントのPRプランニングをしています。
突然ですが、皆さんは、「PR」がなんの略称か分かりますか?
PRという言葉は一般的にも使われており、聞きなじみがある人も多いと思います。ソーシャルメディアの影響もあり、プロモーションや広告を意味するだけの言葉だと感じている人も多そうですが、実はそれは誤認なんです。
PRはズバリ「パブリックリレーションズ(Public Relations)」の略称です。
しかし、調査(※)によると、PRの正式名称を「知らない」または「誤認」している人は、9割以上という結果も…。
PRは企業と世の中の双方向のコミュニケーションや、良好な関係を構築するものですが、正しい理解が不十分なのが現状です。
アドミュージアム東京の「What is PR?」展に行ってきました
アドミュージアム東京では、PRをテーマにした企画展示「What is PR? ~PRって何だろう? 身近な活動から社会を変えるチカラまで」が11月8日(金)から12月25日(水)まで開催されています。
さっそく行ってきたので、見どころをご紹介します!
ちなみに、今回の企画展は、地下2階のメイン企画エリアではなく、その上の階(地下1階)のライブラリースペースで開催されています。
「What is PR?」展には、こんな展示がありました!
ここからは展示の一部をご紹介します。
まず目に飛び込んで来るのは、「?」マークが印象的なポスターです。「What is PR? ~PRって何だろう?」というタイトルにあるように、みんなでPRについて、考えてみるきっかけになりそうです。
「What is PR?」展は、ライブラリー入り口からすぐの「○○の本棚」というコーナーで開催されています。動画や分かりやすい冊子などで、PRについて学ぶことができます。
アメリカ・ニューヨークにあるThe Museum of Public Relationsが、Hofstra University(ホフストラ大学)と協力して作成した資料を基に、歴史上の重要な人物や出来事が、どのようにPRと深く結びついていたかが紹介されています。
洞窟壁画や宣教師の布教まで、PRと結びついているとは驚きでした。
現代ではPRは広告手法やマーケティング手法として認識されがちですが、「良好な関係構築」を目指すものであり、相手の気持ちを考え合意形成を図る、「コミュニケーションの基本」をなすものとも言えるのではないかと思います。
私自身、初めて知ることも多く、あらためて「PRとは?」を考えさせられる展示ばかりでした!
PRプランナーが気になったおもしろ展示!
私が見て気になった展示をご紹介します。
歌舞伎役者はインフルエンサー⁉
実は江戸時代の歌舞伎の劇中には、実際に存在するさまざまな商品が登場していたようです。
劇中で、人気の歌舞伎役者が実際の商品を使っている、現在で言うところの「プロダクトプレースメント」(特定の商品などを小道具として使用し、劇中に登場させる広告手法)などが行われていたようです。
人気の歌舞伎役者が商品を実際に使用しているのを見ることで、商品と観客の距離が自然に近づきますし、第三者からおススメされることで、グッと好意度が高まるのは、現代でも同じだなとあらためて感じました。
ちなみに「歌舞伎」の語源は異様な風体を指す「傾き(かぶき)」から来ているそうで、みんなが注目し、憧れるような派手な見た目や振る舞いは、まさに現代のインフルエンサーを思わせます。
IKEAカナダ 中古品の二重課税撤廃のキャンペーン
環境的にも経済的にもエコロジーな中古品を販売しているIKEAカナダでは、新品同様に中古品にも税金が課せられている現状に問題提起。
IKEAカナダの本社があり、カナダ最大の州であるオンタリオ州で課せられている13%のHST(Harmonized Sales Tax)の廃止を訴えるキャンペーンを実施。
HSTをもじって「SHT(Second Hand Tax)」という13%の値引きを行うプロモーションを実施しました。
スラングの「SH*T」と同じ発音になったこともあり、ユーモアあふれる施策として話題になりました。
この施策が起点となり、IKEAカナダはカナダ連邦政府およびオンタリオ州と二重課税撤廃のための政策変更について協議を行ったとのことです。
社会課題を起点にして、世の中の関心事と、企業の伝えたいこととの接点を企画に落とし込んだ、PR思考のお手本のような事例だと感じました。
特に、最終的には政府と協議するまでに至ることで、単なる値引きプロモーションで終わらせず、世の中に問題提起し、話題を起こして、社会を変えていくという一連の流れが鮮やかです。
展示では映像でも紹介していますので、そちらも併せて見てください。
NIKE オーストラリアでの「同性婚」支持キャンペーン
2017年当時、英語圏の国で同性婚が認められていない唯一の国であったオーストラリアで、「同性婚」の是非を問う国民投票が行われました。
NIKEは、「競技場の中であろうが外であろうが、人は平等でなくてはならない」という信念を持っており、おなじみのロゴ「Swoosh(スウッシュ)」を投票のチェックマークに見立てたビジュアルで、同性婚支持のキャンペーンを展開しました。
これらを含めた数々の働きかけが世論の波を増幅したことで、国民投票は賛成多数という結果となり、同性婚が合法化されました。
このNIKEのブランドアクションのように、企業が掲げる信念=パーパスを軸に、企業が社会課題の解決を行う「ブランドアクティビズム」の事例も年々増えています。
販促やビジネス上の成果だけではなく、社会課題も解決していくという企業責任と、その豊かなアイデアがPRにとって非常に重要なポイントだとあらためて感じました。
おわりに
今回は、アドミュージアム東京の、「What is PR? ~PRって何だろう? 身近な活動から社会を変えるチカラまで」の一部をご紹介しました。
「PRとは?」を考える良いきっかけになるので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
どうやって行くの?
アドミュージアム東京は、都営大江戸線「汐留」駅から徒歩1分、「カレッタ汐留」の地下2階~地下1階にあります。
江戸時代から現代まで約33万点もの広告に関する資料を収蔵している、国内で唯一の広告のミュージアムです。
地下2階がメインエントランスで、Hall Aの常設展示では広告の歴史などが学べます。Hall Bの企画展示では11月30日(土)まで、「第77回広告電通賞展」を開催中です。
今回の「What is PR?」展は、その上の階(地下1階)のライブラリースペースで開催されています。
アドミュージアム東京・企画展示の概要
■名称:What is PR? ~PRって何だろう? 身近な活動から社会を変えるチカラまで
■企画:株式会社電通PRコンサルティング
■協力:The Museum of Public Relations(NY)、アドミュージアム東京
■制作:株式会社たきコーポレーション
■会期:2024年11月8日(金)~12月25日(水)※入場無料
■会場:アドミュージアム東京 B1階ライブラリー
東京都港区東新橋 1-8-2 カレッタ汐留 電話03-6218-2500
開館日 火~土 12:00~18:00
https://www.admt.jp/