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「周年」をフル活用したい!「3つのシンカ」で企業成長チャンス

PRX Studio Q

企業やブランドのPRに「周年」を活用できていますか?

「創業100周年」や「発売30周年」といった機会は、年を重ねるごとに、どの企業やブランドにも定期的にやってくるもの。5周年や10周年を主な区切りとしながら、50周年や100周年には大々的にプロモーション展開している企業を目にすることもあるのではないでしょうか。発売してそれほど年月がたっていない商品であれば、1周年や2周年などの短いスパンで、毎年話題づくりを行っている場合もあります。

そんな「周年」は、企業やブランドの価値を高める絶好のタイミング。周年に合わせて行う「周年事業」は、新しい顧客との接点や従業員のエンゲージメント強化につながるなど、企業やブランドのレピュテーション(評判)を向上させ、成長につなげるチャンスです。

一方で、「周年だから何かやらなくちゃ」と、なんとなく事業をスタートして、気付けば目立った成果なく終わってしまうこともあります。今回は、周年事業を成功に導く“3つの視点”を「シンカ」というキーワードで解説します。

2022年に「100周年」を迎える国内企業数は?

本題に入る前に、2022年に100周年を迎える国内企業はどのくらいあるのでしょうか? 帝国データバンク発表のプレスリリースによると、その数なんと1065社。また、10周年、20周年…90周年と10年単位の周年企業を足し上げると、その数は10万社を超える計算です。

この数字は企業の創立だけで、さらに企業が展開するブランドや施設などを含めると、その数は膨大です。例えば、飲料メーカーであれば、缶コーヒーや清涼飲料など「商品」や、生産工場や店舗などの「施設」などにも、周年が存在しています。この機会をうまく活用しない手はないのではないでしょうか。では、ここから周年の機会の生かし方を「3つのシンカ」の視点から探っていきたいと思います。

“親密になりたい”ステークホルダーは?

1つ目のシンカは「親化」。

周年は、顧客や株主、従業員のみならず、これまで接点が薄かった人など、社内外のステークホルダーとの関係性を見直し、「親密になる」チャンスです。

そうは言っても、どこから取りかかればよいのか分からない…。そんなときには、自社とステークホルダーの関係性を一度棚卸しするのがオススメです。ステークホルダーごとに「現状の関係性」と「ありたき関係性」を書き出し、特に今後の企業活動において重視したいステークホルダーを選定します。

例えば、下記のようなシートを用いることで、関係性を強化したいステークホルダーを明確にするのに役立ちます。

同時に、そのステークホルダーの背景に「どのような環境、社会課題があるのか」までを把握することで、周年事業として向き合えるのか、応えていくときにはどのようなことに取り組むべきか、関係性強化のきっかけとなる企画の糸口にもなります。関係性を強化したいステークホルダーを設定することで、周年事業の目標設定も見えてきます。

このようなステークホルダーマップは、整理するのに労力が必要で、日頃のコミュニケーションでは手が回らないこともあると思います。周年のタイミングで、改めて企業/ブランドを取り巻く環境、ステークホルダーとの関係を見直すのは、よい機会となるのではないでしょうか。

それぞれのステークホルダーに対して(全て埋める必要はありません)
例えば
✔「学生(就職希望者)」→「ここで働きたいと思われる企業」になりたい
✔「顧客/消費者」→「商品価値の再評価で選んでもらえる商品」になりたいといったように整理していきます。

このステークホルダーのマップにもあるように、従業員も大切なステークホルダーのひとりです。そういった点で、これまで周年を内輪のお祝いごとと捉え、社内のみのイベントを行う企業もあるのではないのでしょうか?

昨今のリモートワーク下での「社内コミュニケーション減少」という課題も相まって、そういった傾向は強まっているのかも知れません。しかし周年は社外の各ステークホルダーとの接点を紡ぐよいきっかけです。また対外的な働きかけが、社内への波及効果を生むこともあり、「社内×社外」の両輪で統合的に取り組むことが、企業価値を高める効率を上げることとなるはずです。

“周年ならでは”の体験でエンゲージメント強化を

2つ目のシンカは「深化」。

周年は言ってみれば「企業が積み重ねてきた資産そのもの」です。例えば、創業100周年の企業であれば、100年間絶え間なく事業を継続してきた軌跡ですし、発売30周年の商品であれば、パッケージや改良を重ねながらも世代を超えて愛され続けてきた証です。

そんな各社・各ブランドが積み重ねてきた歴史の中には、顧客や従業員の中にさまざまな「原体験」が存在します。とある飲食チェーンを例に挙げても「今は移転してしまった1号店の思い出」「幼少期に家族で食べた、忘れられない味とお店の雰囲気」「学生時代に飲食チェーンでアルバイトしていた仲間との思い出」など…数えきれない多様な原体験であふれています。

そんな原体験を掘り起こし、周年の節目である今の時代にふさわしいアクションに活用することで、企業やブランドの体験を「深める」チャンスです。企画のヒントとして、「企業が持つ原体験」と「今の時代性」を掛け合わせた取り組みを考えてみると、“この周年だからこそ” の企業の新しい体験につながります。そうした取り組みの積み重ねが、顧客や従業員など、社内外さまざまなステークホルダーとのエンゲージメント強化につながっていきます。

周年を社外に発信する際に気を付けたい点として、社内外の意識ギャップがあります。担当者の立場からすると、周年事業は特別予算がつきプロジェクトチーム編成が組まれるなど、社内は一大イベントやお祭りムードになります。一方で、生活者など社外のステークホルダーからすると「周年自体」には関心はほとんどない状態です。世の中は「周年の取り組み」、つまり「周年をきっかけに何をするのか」が重要で、「周年を迎えた事実だけ」では振り向いてくれる人は少ないのです。

周年事業はプロジェクト型&挑戦テーマに!

このように「周年事業でさまざまな取り組みを積み重ねていく」ことを念頭に置くと、ひとつの施策だけでなく、多様な施策を集約できる「プロジェクト型」の立て付けにしておくのがオススメです。

周年事業は社内のさまざまな部署(宣伝部・広報部・商品企画部・人事部・海外支社など)が広く関わることもあります。社内メンバーが参画しやすい仕組みにすることで、社内各部署から自発的な取り組みが生まれやすく、プロジェクト全体に厚みが出ます。社内メンバーを限定しすぎないことが「従業員の自分ゴト化」にもつながります。例えば、海外の企業では、社員それぞれが自分たちの取り組みたいボランティア活動をするなど、周年事業で社会貢献活動をするところもあります。

さらに、周年が社内にもたらすよい効果として「周年だから」という理由で社内承認のハードルが普段よりも低くなり、チャレンジしやすい環境になることが挙げられます。その点を踏まえると、周年事業のプロジェクトテーマは、社内からさまざまな提案を上げやすく、前例のないことに積極的に取り組めるような「未来に向かった挑戦」を見据えたものにできるとよいでしょう。過去だけに視線が向かってしまう「これまでの感謝だけ」にとどまるテーマ設定は避けたいものです。 

“その日だけ&その年だけ”ではもったいない!

3つ目のシンカは「伸化」。

周年は「その年だけ」「その日だけ」という短期間・単発で考えがちです。しかし、周年を中心に、前後の年も視野に入れながら企画設計することで、中長期にわたって企業価値に影響し得る期間を「伸ばせる」チャンスです。下記のように、3カ年で「プレ年」→「周年本年」→「アフター年」と捉えてみます。

「プレ年」は主に準備期間です。社内プロジェクトチームの編成、国内外の従業員ヒアリング、ディスカッションなど、社内コミュニケーションが中心となります。この期間は、プロジェクトチーム編成からスタートすることが多いですが、チームにトップと個別部署をつなぐ“中間の役割”(ミドルアップダウン)を持たせることがポイントです。周年事業で社内を巻き込む仕組みをつくれるかが、プロジェクト全体のカギを握ります。

いよいよ「周年本年」は、2つ目に解説した、企業やブランド体験を「深める」施策を社内外に展開します。ここでは、社外に発信した取り組みを随時社内へフィードバックし、従業員とのエンゲージメントを強化し、さらに効果測定を進めていきます。効果測定を並行することで、本年で成果が大きかった取り組みを、翌年以降も継続するといった判断を進めていきます。

周年をきっかけとした新たな取り組みが、その後も継続し、今後の事業化につながることが多々あります。例えば、周年記念で発売した新商品が人気となり翌年以降も継続販売したり、周年をきっかけに「企業ミュージアム」をオープンしたりするケースもあります。こうした事業はその後も継続して、社内外とのコミュニケーションを生み出すことに貢献します。

今回は「周年事業の3つのシンカ」について簡単にご紹介しました。多様なステークホルダーとの関係性を親密にしたり、中長期にわたり企業価値に影響をもたらすことにつながるなど、大きな可能性を秘めているのが「周年事業」なのです。


「PRX Studio Q」では、周年事業/コミュニケーションの戦略から企画、実施まで手段を問わずプロジェクトをデザインします。もし興味をお持ちでしたら、お気軽にお問い合わせください。

prx-q@group.dentsuprc.co.jp

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