「急にブレストに呼ばれたけど、どうしよう…!」
「自由にアイデアを出してって言われても、思いつかない…」
ブレストを前に、こんなふうに緊張してしまったり、苦手意識を持っていたりする方に向けて、アイデア出しのヒントを考えるシリーズ【アイデアの広げ方 ブレスト60分】。
PRXStudioQのメンバー4人が、1つのテーマに対し60分間ブレストを行い、その様子を紹介しながらポイントをお伝えする記事です。
前回は、「自転車ユーザーのヘルメット着用率を上げるには?」というテーマでブレストを行いました。
第2回のテーマは、
「フードロスを減らすため、恵方巻きの予約販売を増やすには?」。
新たなメンバーが参加するため、前回とはまた違ったプロセスでブレストが進みました。それぞれどんなことを意識しながらアイデアを出していたのか、ポイントを解説します。
メンバー紹介
STEP0:前提知識の整理(10分)
今回も、ブレストの前に、テーマについての事前知識をメンバーで確認しました。
「恵方巻きのフードロス」については、下記のような現状があります。
恵方巻きのフードロス削減を考える際、小売業や流通の課題なども含めると、テーマが広くなり過ぎてしまいます。このため、今回PRXQでブレストをするテーマとしては、「予約販売を増やすこと」に焦点を当てました。
これらの情報を踏まえて、いよいよブレストスタート!
STEP1「広げる」:5W1Hを切り口に「恵方巻きの楽しみ方」を考える(30分)
今回のSTEP1では、「恵方巻き」のイメージや食べる目的、食べ方、そして食べるタイミングについて、意見を出し合いました。
まずは恵方巻きの概念や可能性を確認していくことで、その後「予約販売を増やすために活用できそうなアイデア」に昇華する土台をつくります。
恵方巻き、食べる?食べない?
メンバー内だけでも、恵方巻きとの距離感や目的はさまざまでした。これは、楽しみ方にももっといろいろな選択肢があるのでは?という気付きにつながりました。
恵方巻きの楽しみ方を広げるに当たって、恵方巻きを「5W1H」(特に「WHAT」「WHEN」「WHERE」「HOW」)の切り口で捉え直していました。
例えば、
「WHAT(何)」は節分や恵方巻きが皆にとってどんなものか?どんな意味があるのか?
「WHEN(いつ)」は恵方巻きをいつ食べるのか?
「WHERE(どこ)」は恵方巻きをどこで食べるのか?
「HOW(どうやって)]は恵方巻きをどうやって食べるのか?どうやって作るのか?
といった切り口です。
WHAT:「自分と向き合う時間」に変換
まずは「無言で食べる」という恵方巻きの特徴から、議論が広がりました。
WHAT:節分は「料理を休む日」と捉える
WHEN:無言でも伝わる「応援ツール」に
「WHEN」「HOW」「WHERE」といった、食べるタイミングや食べ方でも考えていきます。
HOW:作り方に一工夫「巻かない恵方巻き」
WHEN/WHERE:縁起チャージもタイパ重視?
WHEN/WHERE:デートの口実「恵方券余ってるんだけど…」
「具体的な内容よりも先に言葉を思い付いた!」という森光のアイデアから議論が広がることもありました。
STEP2「絞る」:予約販売を増やすために、使えそうなアイデアは?(20分)
ここまでは恵方巻きの食べ方・楽しみ方などを広げてきました。
STEP2では、出てきたアイデアも踏まえながら「予約販売を増やすために活用できそうなアイデア」を深めていきます。
参加してくれる人を増やすには、生活者の関心や問題とマッチしているか?も重要なポイントになります。
では、ブレストで出たアイデアの一部をご紹介します。
〔アイデア01〕「受験の応援」をサポートする贈り物に
まずは前半で出ていた意見の中から、恵方巻きの予約につながりやすそうなものをピックアップして、アイデアを深めます。
〔アイデア02〕料理休み宣言のための恵方巻き予約
〔アイデア03〕1年の計画や目標と「予約」を絡める
〔アイデア04〕年始の願掛けからの再チャンスと捉える
〔アイデア05〕予約=環境への配慮の意思表示
議論が刺激になって、これまで出ていなかったアイデアも出てきました。
ここで60分が経過。ブレスト終了~!
アイデア出しのポイント
最後に、ブレストで意識していたことをそれぞれに聞いていきます。
ポイント❶:人のアイデアを否定しない
ポイント❷:「身体の動き」を大きくすると、頭も動く
ポイント❸:言葉や文字で遊んでみる。時にはダジャレも
今日のディスカッションの中でも、なんとなくひらめいた「言葉」を出したり、ダジャレのような「文字遊び」を考えたりすることで、アイデアが広がるタイミングがありました。
ポイント❹:役割分担ができていると、議論が深まりやすい
メンバ―同士で、最初に役割分担を決めていたわけではありませんが、結果的にどんな役割を果たしていると思ったか聞いてみると…
・「森光=進める(どんどん意見を出していく)」
・「深谷=深める(出てきた意見やアイデアを深めていく)」
・「鶴岡=立ち戻る(同じテーマでも、視点をずらして捉え直してみる)」
・「中曽根=具体化する(出てきたアイデアを具体化したり、実現できそうなアイデアに落とし込む)」
という役割にバランスよく分かれていたようです。
今回はこのような分担になりましたが、メンバー構成によって自分の役回りを柔軟に変えているという人も多いようです。
ブレストのパターンはさまざま
前回は、イシューを先に洗い出し、それを起点にアイデアに落としていきました。
今回は、アイデアを先に広げ、そのアイデアがどんな生活者のイシューとマッチするか、そして「予約販売を増やすこと」にどうしたらつながるか、という観点で絞り、深めていきました。
ブレストの進め方に正解はなく、今回私たちも「こう進めよう」とあらかじめ決めていたわけではありません。
一方で、幾つか進め方や役割のパターンを知っておくと、ブレストに臨むヒントになると思っています。
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