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子どもの運動会、参加する親のケガを減らすには?|ブレストのコツ

「急にブレストに呼ばれたけど、どうしよう…!」
「自由にアイデアを出してって言われても、思いつかない…」

ブレストを前に緊張してしまったり、苦手意識を持っていたりする方に向けて、アイデア出しのヒントを考える連載「アイデアの広げ方 ブレスト60分」

PRX StudioQのメンバー4人が一つのテーマに対し60分間ブレストを行い、その様子を紹介しながらアイデア出しのポイントをお伝えする記事です。

▼第1回はこちら

▼第2回はこちら

第3回のテーマは、
「子どもの運動会、参加する親のケガを減らすには?」。

ブレストの前に、参加者メンバー簡単な紹介です。

メンバー紹介


STEP0:前提知識の整理(10分)

テーマについての事前知識も、メンバーで確認しました。

下図は「子どもの運動会への参加経験や、競技に出場した際の転倒・ケガの経験など」について、オムロンヘルスケア株式会社が父親を対象に実施したアンケート調査の結果です(※)。

こちらの調査は「父親」を対象にしていますが、父親に限らず競技に出場したことのある全ての保護者にとって、近しい実態はありそうです。

運動会シーズンになると親世代の外来が増える、といった報道もありました。

STEP01:イシューの設定「なぜケガをしてしまうの?」(20分)


調査結果を参照しながら、自分や周囲の経験も踏まえて、なぜケガをしてしまうのかディスカッションし、問題(イシュー)の仮説を立てました。

準備運動、する気になれない?

岩澤:運動会の前に、日頃から少し運動して慣らしておくのが大事だとは思うんだけど、忙しかったりやる気が起きなかったり、なかなか運動する気にならないよね。

齊藤:自主的にはなかなか難しいけど、何かそういう機会があればやろうと思うかな?

小川:子どもが親に教えるとか、子どもから働きかけられると、やる気になってくれそう?


⇒イシュー①:運動会のために、日頃から少しずつ運動して体を慣らしておく気になれない問題

大人になると「ケガ」がひとごとに?


齊藤:大人にとって運動会でケガをすることって、実はひとごとなのかも。僕はこの前ゴルフの練習を2時間したら、腱鞘(けんしょう)炎になってびっくり。自分にとってそこまで負担になっているとは思ってなくて。

箕輪:私もこの前雪道で10年ぶりくらいに転んだけど、大人になるとあまりケガをしないから、そもそも「ケガするかも」って想定をしていなかったな。

小川:「ケガには気を付けてくださいね」っていうフレーズが、テンプレート化してて伝わっていない、自分ゴト化できてないっていうこともありそう。

箕輪:子どもの運動会くらいじゃケガしないだろうと思って、ひとごとに思うかも。


⇒イシュー②:自分は「大丈夫」と過信して、ケガを自分ゴト化できていない問題

無理していいところを見せようとしてしまう?

岩澤:「子どもにいいところを見せたい!」「1位になった姿を見せたい!」と思って無理してしまう、ということもあるんじゃないかな。

齊藤:でも、お父さんの順位が高いからかっこいいというわけでもないよね。頑張って参加していること自体がかっこいいはず。

小川:親子で「どんな親の姿を見せたいか/見たいか」にギャップがあるのかも。

齊藤:1位を取らなきゃと思って空回りするとケガをしそうだよね。

岩澤:1位にこだわらないようにするなら、「競走」とか「レース」じゃなくて、「何かをつなぐ」というふうに競技の名前を変えると、意識も変わるのかな。


⇒イシュー③:「子どもにいいところを見せなきゃ!」という意識が強くなると、無理してしまう問題

STEP02:それぞれのイシューを解決するためのアイデアは?(30分)


課題を整理したところで、ここからはアイデアを広げていきます。

アイデア01 「運動会の保護者専用」ランステ―ション

小川:「勝ちたい」というモチベーションから無理してしまう大人がいるのだとしたら、逆にめちゃくちゃガチで勝つための準備を促すというのはどう?

岩澤:終わった後、親が達成感や悔しさで泣くくらいになったら面白いね。

齊藤:ジムやランステを活用して、「運動会ガチ勢」へのレッスンを開いたり、飲み物の配布やロッカーの貸し出しなど練習のサポートをするとか。

箕輪:みんなでやるなら参加したい、という人はいそうだし、新しいコミュニケーションの場にもなりそう!「子どもの運動会に参加する大人」というユニークな条件で集まっていること自体も話題になりそうですね。

アイデア02 ワンデイ運動会保険

小川:スカイダイビングとかするときに、「ケガのリスクがあることを承知しました」みたいな誓約書を書いた経験があります。あれって、書くことで「これからすることって、危険なんだな」と改めて認識する機会にもなると思う。運動会でもそういうふうにリスクに気付いてもらう機会をつくれないかな?

齊藤:運動会保険とかはどう?

小川:ゴルフとかでも1日保険ってあるよね。

箕輪:ケガをしたときに補償してもらう目的はもちろん、そういう保険が存在していること自体が、「運動会でもケガする可能性があるんだ」と改めて気付いてもらうきっかけになりそう。

アイデア03 こども審判リレー

小川:ケガしないでねって子どもに言われると、ちょっと切ない気持ちになるかもしれないよね。期待されてないんだな、とか、おじさんおばさん扱いされてるんだなって。

齊藤:1位じゃなくてもかっこいいよ、というメッセージを伝えられる何かがあったらいいよね。無事に完走した人に「無事メダル」を渡すとか。

岩澤:親にとっての1位は「速い」ことじゃなくて、子どもが「かっこよかった!」と思うことだとしたら、子どもが「審判」になって、それぞれ違う何かの1位を決めて、授与するのはどう?

箕輪:◯◯くんのお母さんは「笑顔1位」、◯◯ちゃんのお父さんは「スタートダッシュ1位」とか、それぞれかっこいいと思ったポイントを伝えてくれたらうれしいかも。

ここで時間が来たので、ブレスト終了~!

アイデア出しのポイント

最後に、ブレストで意識していたことをそれぞれに聞いていきます。

ポイント❶:当事者になり切ってみることも、当事者以外の視点も両方大切

岩澤:自分ゴト化してもらえるような気付きをどう与えるかが大事なので、ターゲットになりきるのは大事だよね。妄想でもいいから、自分だったらどうするか?どう思うか?どう言われたら聞く気になるか?と考えることは大事。

齊藤:一方で、当事者である親だけではなく、子どもや周囲の家族の視点に立つこともヒントになりますよね。周囲からアプローチする方法も考えることで、アイデアが広がります。

ポイント❷:誰かが出したアイデアに“乗っかる”

齊藤:誰かが出したアイデアで議論が盛り上がってきたとき、どんどん乗っかって関連するアイデアを出すことで、場の温度が上がって良いアイデアが出やすくなる気がする。

岩澤:「共感の天丼」みたいな感じだね。共感を重ねるという意味で。

箕輪:私は新しい視点ですぐにアイデアが出るタイプではないので、誰かが出したアイデアに関連する情報をその場でリサーチして、人の意見を広げることも意識しています。

ポイント❸:雑談からアイデアが生まれることも!

小川:テーマに近そうな雑談を挟んでみるのも大事だよね。

岩澤:分かる!近い領域の話から連想して、アイデアにつながることってあるよね。

まとめ

当事者の視点だけでなく、その周囲の視点で考えてみたり、時には関係のないように思える雑談からもアイデアが生まれたりするものです。

ブレストの進め方やアイデア出しの方法に正解はありません。一つの参考にしていただけたら幸いです。


PRX Studio Q (電通PRコンサルティング)では、企業やブランドのPR戦略立案から企画、実行までをワンストップで対応いたします。PRスキルアップセミナーやアイデア発想ワークショップなども実施しています。ご要望に合わせて柔軟に対応いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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