就活のモヤモヤって?|「鬱憤構文ワークショップ」就活生とやってみました
世の中の話題になるようなPRアイデアを考えるには、生活者が持つ問題を解決したり、関心に応えたりできているかどうか、という視点が必須です。
だから私たちは、その起点になるような「生活者が抱えるモヤモヤ/鬱憤(うっぷん)」を見つけ出すことを大切にしています。
そうしたモヤモヤ/鬱憤を見つけ出し、アイデアに生かすお手伝いをするため、電通PRコンサルティングでは、企業/ブランド向けに「鬱憤構文ワークショップ」を実施しています。
今年2月に行なった2025年卒の学生向けインターンシップでは、PR企画のアイデア発想を体験してもらうため、このワークショップにトライしてもらいました。
ワークショップのテーマはずばり、
「就活生のモヤモヤ&解決アイデア」。
「ES(エントリーシート)の無限添削を断ち切りたい…」
「面接では標準語を使うべきという暗黙の了解がある」
「面接を受ける自分は1人なのに、相手の面接官はずらっと何人も並んでいて孤独…」
就活生に今抱えるリアルなモヤモヤについてブレストしてもらい、最後に解決アイデアも考えてもらいました。
▼鬱憤構文ワークショップの詳細はこちら!
インターンシップの流れ
4、5人のグループに分かれて、モヤモヤを出しやすくなるフレームが書かれた「鬱憤構文カード」を使って、モヤモヤを出していきました。
身近なテーマだからこそ、自分ゴト化しやすく、ワークショップ中は、「分かる~」「言われてみれば確かにそうかも」「え、それは思ったことなかった!!」と共感や発見の声が飛び交いました。
そして後半では、そうしたモヤモヤを解決するためのアイデア出しもしてもらいました。
就活生が抱えていた、モヤモヤ
たくさんのモヤモヤが出てきましたが、大きくは下図の3つに分けられるのではないかと考えました。
カテゴリごとに、幾つかピックアップしてご紹介します。
❶暗黙ルールや神話
1つ目は、明文化されていないけど守らなければいけない/守るべきと思い込んでいる暗黙のルールや慣習、神話めいたものに対するモヤモヤ。
例えば、「服装自由と言われたので私服で行ったら浮いてしまった」というモヤモヤは多くの共感を得ていました。
明文化されていないと正解が分からず、判断に迷い、悩んでしまう学生は多いようです。「いっそ指定してほしい」という声もありました。
また、地方の学生からは「面接では標準語で話すべきという暗黙の了解がある」という意見も。
話し慣れていない言葉で自分を表現することを難しく感じるという学生もいました。
「こうすれば受かりやすい」「こうすれば落ちやすい」といった神話めいたものに振り回され疲れてしまう、といった声も多かったです。
❷企業と学生の立場の不平等感
2つ目は、就活を最優先せざるを得ない状況や、「第一志望か」とあえて聞かれて試されるような、学生にとって「フェアじゃない」と感じる状況についてのモヤモヤ。
説明会や面接のスケジュールが直前まで分からず、就活生が企業に合わせるしかなかったり、就活生1人に対し面接官が何人もいたりするなど、不平等だと感じる場面も多いようです。
「15分以内の面接では自分の魅力を伝えきれない」という意見も出ましたが、これは企業側も課題に思っていることかもしれません。
また、趣味と両立ができずにストレスがたまっているという声も印象的でした。
社会人になると、仕事とプライベートを両立している人は多いのに、就活中は「就活だけに集中すべき」という風潮があり、リフレッシュできず疲れてしまう人も少なくないようです。
❸漠然とした不安
3つ目は、周囲と就活の状況を比べて不安になったり、社会人としての振る舞いができるかどうか自信がなくなったりすることへのモヤモヤ。
もし、友人と同じ企業を受けていた場合、相手と自分で選考の進み具合に差があると分かると、精神的なダメージが大きいため、「友達と就活の話ができない」というモヤモヤもありました。
「自分は自分だと分かっていても、どうしても周囲と比べて一喜一憂してしまう」という声は最も多かったモヤモヤの一つです。
また、無料でESを添削してくれるサービスがあったり、いろんな情報が出回ったりしている中で「正解が分からず不安になり、無限にESの添削をし続けてしまう…」というモヤモヤには、就活生も、元就活生の私たちも、深く共感していました。
学生が出したアイデア
こうしたモヤモヤを解決するために、学生の皆さんには下記のようなプロセスでアイデアを考えてもらいました。
たくさん出してもらったアイデアの中から、学生に許可を得た上で3つご紹介します。
「服装自由」は企業側の就活生への配慮かもしれませんが、かえって学生を混乱させてしまうこともあるため、いっそ服装も選考の対象にしてはどうか?という就活生からの提言でした。
人数も含めて、面接官とできるだけ対等な状況でいられた方が、自分らしく振る舞えるという意見に、多くの就活生が共感していました。
確かに「敬語=標準語」というイメージがビジネスシーンでは存在しますが、本来そのようなルールはあるべきなのか?という問題提起にもなっていて、私たちも特にハッとさせられたモヤモヤでした。
私たちにもできることは?
今回、就活生が出してくれたモヤモヤやアイデアは、私たちにとっても、多くの気付きにつながりました。
今後の採用活動に生かせないか、インターンシップ後に私たちも幾つか即興でアイデア出しをしてみました。
実際に実施するとなるとさまざまな制約も想定されますが、就活生が今回出してくれた貴重なモヤモヤを大切に受け取り、少しでもよい採用活動にできるよう、努めていきたいと思っています。
今回就活生の皆さんにも考えていただいたように、生活者が抱えている何気ないモヤモヤに着目し、企業やブランドのコミュニケーションに生かしながら、世の中の問題の解決の糸口を探ったり、意識や行動を変えていくきっかけをつくったりできるのが、PRの魅力です。
就活生の皆さん、PRの仕事に少しでも興味をお持ちいただきありがとうございます。今後PRの仲間がもっと増えていくことを、願っています!
PRX Studio Q (電通PRコンサルティング)では、企業やブランドのPR戦略立案から企画、実行までをワンストップで対応いたします。今回の記事でご紹介した「鬱憤構文ワークショップ」も企業様向けに実施しています。ご要望に合わせて柔軟に対応いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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