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”世の中の問題発掘”に役立つ「鬱憤構文カード」できました

企業/ブランドがステークホルダーとより良い関係をつくるためには、ステークホルダーが抱いている「イシュー(問題)」に着目し、その解決につながるような取り組みを行うことは大事なポイントです。

※「イシュー」という言葉は、「長い時間をかけて向き合う社会的問題」という意味で用いられることが多いですが、今回は「個々人が不具合を感じる生活者視点の問題」と定義します。

生活者視点のイシューを探す方法は、さまざまあります。例えば、アンケートやインタビューを実施したり、問い合わせ窓口に直接寄せられた声を参考にしたり、ソーシャルメディアの投稿を調べたり…。

私たちのチームの場合は、ソーシャルメディア上の一人一人の投稿からイシューの芽を探す「ソーシャルハンティング」という方法を用いたリサーチを行うこともあります。

一方で、生活者が抱く課題を「実際にどうやって探したらよいか分からない…」「仮説を立てること自体がなかなか難しい…」という声もよく耳にします。

そこで開発したのが、今回ご紹介する鬱憤(うっぷん)構文カード」です。簡単に言うと、「世の中のイシューについて、発想しやすくなったり、言語化しやすくなったりするツール」です。

(参考)「鬱憤構文」について詳しくはこちら

鬱憤構文カード

「鬱憤構文カード」はこのように、カードゲーム式にアイデア出しができるもので、「特定の文章(構文)が先にあり、そこに言葉を当てはめる」ことで発想しやすくなるオリジナルのツールです。

このカードを使った「鬱憤構文ワークショップ」については、後半でご紹介します。イシューを発掘するための考え方を学び、仮説立案に役立てるほか、社内やチームのコミュニケーションの活性化にも効果的なワークショップです。


「鬱憤」が出しやすくなるカード

鬱憤構文とは、対象のテーマやステークホルダーにまつわる鬱憤(不満/違和感など)を特定の構文(文章)に当てはめて考えることで、「○○問題」や「○○説」といったように言語化したり、発想しやすくなったりするものです。

例えば、「接客業で働く人」が抱く問題を考えると仮定しましょう。このようにまっさらな状態で考えるよりも、

「~に、不安を感じる問題/説」といった補助となるフレーズ(=鬱憤構文)があると、考えやすくなったり、発想しやすくなったりするものです。

この考えをもとに、鬱憤構文カードには、こうした「鬱憤構文」を50種類プリントしています。私たちのチームでまとめた100種類以上の鬱憤構文の中から、より使いやすいものをセレクトしています。

ちなみに、グループワークで向かい合わせになってカードを使うときにも見やすいよう、逆方向からも読めるようになっています。ワークショップでは、このカードを使って、ステークホルダーや世の中全般の鬱憤や不満を出し合います。

ワークショップの進め方

ワークショップは、以下の手順(一部抜粋)で行います。

一つの正解を導き出すのではなく、自分では思いつかなかった視点や、新しい気付きを得ることが大切です。

❶ 1人5枚カードを取り、自分が発想しやすそうと感じるカードを選ぶ
❷ 選んだカードを使って、思い付くだけ鬱憤を書き出す
❸ メンバーに共有した後、全員で議論しながらさらに鬱憤を書き足す
❹ 「共感(分かる‼︎)」と「発見(そうなの⁉︎)」がある鬱憤に投票
❺ 票が多く集まった鬱憤をワークショップ参加者全体に共有

ワークショップの二つの使い道

①「世の中のイシュー発掘」

ワークショップは、主に二つの活用法があります。

一つ目は、企業/ブランドの取り組みのアイデアを世の中起点で考えたり、その思考法を身に着けるために活用する方法です。多様な視点で世の中にある鬱憤を出し合い、仮説を立てることで、取り組みや情報発信のヒントになるイシューを設定しやすくなります

実際に出てきた鬱憤(例)

「働く人を応援する商品を販売している企業」を想定して、世の中の「働き方」に関するイシューを考えるためのワークショップを実施しました。

こちらは、ワークショップで実際に出てきた鬱憤の一部です。

付箋に思い付く限り鬱憤を書き、カードに貼り付けていきます

鬱憤を出し合いながら、「あるある!」といった共感の言葉や、「言われてみればたしかに!」という気付きや納得の言葉が飛び交い、議論が深掘りされていきました。

参加者からは、「補助ワードがあることでより具体的な問題を考えやすい」「最初は思いつかなくても、他の参加者の鬱憤を見ることで刺激になり、芋づる式に思いつきやすくなった」などと声が上がっていました。

こうして出てきた鬱憤の中から、企業/ブランドとマッチするイシューになりそうなものをピックアップし、情報発信や企画のアイデアに生かしていきます

②「インターナル施策での活用」

二つ目は、社内やチームでのインターナルコミュニケーションのツールとして活用する方法です。ワークショップで、社員同士が日頃感じていることや、気になっていることを、ゲーム感覚で話し合うことで、関係性を深めるきっかけになります。

また、話し合うテーマを「組織内の鬱憤」に設定すれば、職場をより良くする取り組みに生かすこともできます。少し言いにくいことも、カードを使うことで、フラットな視点で意見が言いやすくなります。

実際に出てきた鬱憤(例)

ある企業の社内研修で、中途社員向けにこのワークショップを実施しました。テーマは「中途社員が新しい会社で抱える鬱憤」。単に愚痴を言い合うのではなく、中途社員の「横のつながり」をつくるコミュニケーションが目的です。

5つに分かれたチームからは、多種多様な鬱憤が出てきました。こちらで、その一部をご紹介します。

新しい環境でのコミュニケーションや、「即戦力」として期待されることへのプレッシャーに悩む声が特に多く上がっていました。

参加者からは「自分だけだと思っていたことも、みんな悩んでいるんだと思うと安心できた」「初めて会った社員同士で、何のテーマもなく雑談するのは難しいけど、一緒にゲームをしながら話すことで、自然と打ち解けられた」という感想が寄せられました。

最後にチームでピックアップした鬱憤を発表するときには、人事担当者も参加。「職場環境の改善のためにも参考になった」「普段は言いづらいだろうことも可視化されてよかった」と話していました。

ワークショップを通じて、社員間のコミュニケーションの活性化につながる事例となりました。

ブレストにも、社内交流にも

鬱憤構文ワークショップは、ブレストや社内のコミュニケーションをゲーム感覚で活発にするものとして活用できます。つまり、社内や社外のステークホルダーとより良い関係をつくっていくことにつながるワークショップとも言えます。

鬱憤構文ワークショップは、さまざまな企業で実施しており、多くの反響をいただいています。詳細については、以下のPRX Studio Qの宛先までお問合せをお願いします。他にも、PR関連のワークショップなどございますのでお気軽にお問合せください。


PRX Studio Q (電通PRコンサルティング)では、企業やブランドのPR戦略立案から企画、実行までをワンストップで対応いたします。今回の記事でご紹介した「鬱憤構文ワークショップ」も企業様向けに実施しています。ご要望に合わせて柔軟に対応いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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