SNS投稿の組み合わせでもっと注目される!「ティザー連打」の“3タイプ”
正式な情報解禁の前にソーシャルメディア上で、ファンなど“分かる人には分かる”断片的な情報を発信し、注目度を高める「ティザー」投稿が、企業/ブランドのアカウントでも広く活用されています。
映画などエンタメコンテンツで活用されることが多かったティザーですが、情報が増え続けている今、企業/ブランドの情報を見つけてもらう方法としても重要性が高まってきています。
こんにちは、PRプランナー/ソーシャルハンターの鶴岡です。
社内のソーシャルメディア分析チームに所属し、日々、企業/ブランドの投稿を中心に分析しています。
下の記事では、企業/ブランドの公式アカウントによる、Xのティザー投稿を分析し、生活者に反応してもらいやすい10個のアプローチの型を考察しました。
ティザー投稿の中でも、投稿を組み合わせて複数回発信し、ファンの期待値を徐々に高めていく、いわば「ティザーの連打」を活用する企業/ブランドが増えてきており、手法として一般的になりつつあります。
今回は「ティザーの連打」について、3つのタイプに分類(※1)したので、まとめてみました。(※1)2024年1-5月の投稿を分類
3タイプは「だんだん」タイプ、「ばらばら」タイプ、「あちこち」タイプです。それぞれの特徴や発信する情報に適したケースを解説していきます。
核心に少しずつ迫っていく「だんだん」タイプ
まず紹介する「だんだん」タイプは、ヒントを徐々に公開して答え(=解禁する新情報)に"だんだん”近づいていく特徴があります。
このタイプが用いられるケースとして、CMで新しいタレントを起用する時や人気作品・キャラクターとコラボする時など、既にいるファンを中心に気付いてもらい、話題化を狙う場合が多いです。
序盤のティザーでは、超コアなファンがようやく気付くような難易度の高いヒントを発信。そこから生まれる考察自体も話題が広がるきっかけになることを狙いつつ、徐々に分かりやすいヒントの発信に切り替えていくと効果的です。
「だんだん」タイプが効果的なケースを紹介します。
例①:お菓子メーカーがアイドルグループとのコラボデザインパッケージを発売。
例②:飲料ブランドと人気キャラクターとのコラボキャンペーン
脈絡なくさまざまなヒントを発信する「ばらばら」タイプ
「ばらばら」タイプは、「だんだん」タイプとは異なり、脈絡なく"ばらばら”な切り口でヒントを発信し続ける方法です。一連のストーリーになっている必要はなく、投稿の順番が入れ替わっても成立するので、運用する上で取り入れやすいことも特徴です。
「ばらばら」タイプは、新商品や新サービスの発表、企業/ブランド同士のコラボ施策でよく見られます。前述の「だんだん」タイプが使われる場合もありますが、新商品や新サービスは、既に知られている商品やタレント、キャラクターと比べてヒントになる情報が少なく、生活者が自力で正解にたどり着くのは難しい可能性があります。このため、徐々に答えにたどり着くというより、あらゆる角度からヒントを発信して「持続して推察を楽しめるコンテンツ」に仕立てることのできる"ばらばら"タイプが適しています。
「ばらばら」タイプが効果的な例を見ていきましょう。
例①:食品メーカーが児童文学の作品をテーマに新商品を発売。
例②:自動車メーカーと通信キャリアがXのプレゼントキャンペーンを発表。
複数のプラットフォームを横断する「あちこち」タイプ
最後に紹介する「あちこち」タイプは、ティザー投稿が一つのプラットフォームで完結するのではなく、"あちこち”のプラットフォームを横断して情報発信をする特徴があります。
企業/ブランド目線でのメリットはまず、XやInstagram、TikTokなど複数の公式アカウントを見てもらいやすくなること。そして、CMと連動する場合はCMの事前告知もでき、ソーシャルメディアからTVへの誘導も促せるなど、複数のメディアで情報接触を図る設計が可能なことです。
生活者には、予告に従っていろいろなプラットフォームを行ったり来たりして情報を追いかけること自体に、楽しさを感じてもらいやすいことも特徴です。それにより、結果として正式な情報解禁に向けた期待感を醸成していくことにつながります。
「あちこち」タイプが効果的な例を見ていきましょう。
例①:飲食店による新商品・新CMタレント起用の発表。
例②:飲料メーカーの既存のCMシリーズに新しいタレントの起用を発表。
発信できる情報によって、適切なタイプを見極める
発信できる情報やコラボ先によっても適切な「ティザー連打」のタイプが変わってくるので、どのように情報解禁前から話題化を狙っていくかを見極めて戦略立てをしていくことが必要です。
下図に3タイプのそれぞれのポイントをまとめています。
「今度発信したい情報は、どのティザータイプが有効そうか?」を各ポイントに照らして考えることで、ティザー段階の情報発信に必要な素材の点検もできます。ぜひご活用ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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